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何をしないかを、先に決める。

No.018 5本のトピック読了目安 3分文 

CAIOを置いたあと、最初に決めるのは「何をしないか」

In three lines今日の3行

  1. 推進人材の不足は、DX動向・LOBOでも課題の上位。全部寄せは設計ミス
  2. 手放す/残すを表にすると、社長と推進役の線が言葉になる
  3. 「やらないこと」を1枚に書く。役割を増やさず、回せる範囲に落とす

今日決めること

推進役(CAIO・推進担当)が「やらないこと」を1つ決め、推進役と社長の名前を並べて1枚に書いておく。

CAIOや推進役を置いたあとに増やすのは仕事ではなく、社長が手放す範囲と残す範囲です。推進人材不足は調査でも課題の上位。役割を増やさず、「やらないこと」から決めます。

今号のテーマ

10月末は、AIと人の線引き(10/30「作業はAI、判断は人間」)と、古いデータを何年残すか(10/31)で締めました。きのう(11/1)は、メール配信など委託先に預けたデータの確認でした。 11月は、ここから「置き方」と「回し方」に進みます。最初は、CAIO(AI推進の責任者)や推進担当を置いたあとの話です。

今日の主題は、役割を増やさないことです。CAIOや推進担当を置いた瞬間に、「全部見る人」になってしまうと、社長の抱え込みが名前を変えて残ります。最初に決めるのは、何をするかより、何をしないかです。

1. 推進役が足りないのは、調べても同じ景色

何が起きた

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の「DX動向2026」(調査実施期間:2026年4月17日〜6月12日、国内企業1,799社)では、DXを推進する人材の「量」について、「やや不足している」「大幅に不足している」の合計が85.5%でした(プレス資料)。AI関連人材でも、多くの種別で「不足している」が過半数です。

日本商工会議所の「LOBO調査(2026年8月)」でも、生成AI活用の課題(複数回答)として「生成AIの活用を主導・推進する人材の育成・確保」が39.0%でした。調査は全国321商工会議所の会員2,396企業を対象に、2026年8月14日〜20日に実施され、有効回答は1,920企業(回答率80.1%)です。同調査で課題の1位は「活用できる業務の洗い出し、活用方法の検討」53.3%、2位は「社員教育、社内ルールの制定」40.5%です。

人が足りないからといって、社長が全部抱えたり、推進役に全部寄せたりすると、止まります。足りない前提で、範囲を狭く持つ、が先です。

要点

推進人材の不足は調査でも上位の課題です。だからこそ、置いた人に「全部」を渡さない設計が要ります。

自社でやること

推進役(または推進役になりそうな人)に、いま何を任せているかを書き出し、「全部」になっていないかを確かめます。

2. 社長が手放す/残すを、先に言葉にする

どういうことか

CAIOや推進役を置いたあとに決めるのは、次の切り分けです。

手放してよい(推進役・現場に寄せる) 残す(社長・決裁者が持つ)
試す業務の候補出し 会社として使う/使わないの最終判断
使い方の説明・社内周知の下書き 顧客・取引先への最終の言い方
ツールの比較メモ(料金表の細部は除く) 金額・契約・個人情報を含む利用の可否
週次の進捗の取りまとめ 止める/続けるの基準

「作業はAI、判断は人間」という線引きは、組織の役割にも当てはまります。推進役がやるのは作業と提案まで。判断と例外の最終は、決めた人の名前を残します。

要点

推進役は「全部やる人」ではなく、「候補を揃え、確認を回す人」。最終の線は社長側に残します。

自社でやること

表の4行を自社の言葉に置き換え、「残す」側の各行に、決める人の名前を書き添えます。

Top Story今日いちばん大事な話

3. 「何をしないか」を1枚に書く

どういうことか

最初の1週間で足るのは、次の3行だけでも構いません。

  1. 推進役がやらないこと(例:全社員の個別指導、全ツールの契約交渉、対外の最終文面)
  2. 社長がやらないこと(例:プロンプトの細かい修正、日々の出力確認)
  3. いまは扱わない業務(例:顧客データの自動投入、エージェントによる外部送信)

「やることリスト」を先に増やすと、役割が増えます。「やらないこと」を先に書くと、役割が定まります。最初の1か月で「やる1つ」を決めたら(あすの11/3号で、30日のチェックリストとして扱います)、今日の「やらない3つ」と並べると、動きが安定します。

要点

最初に増やすのは仕事ではなく、境界です。何をしないかが書けると、何をするかが短くなります。

自社でやること

上の3行(推進役がやらないこと・社長がやらないこと・いまは扱わない業務)を1枚に書き、推進役と社長で見せ合います。

まとめ 増やすのは仕事ではなく、境界

  1. 推進人材の不足は、DX動向・LOBOでも課題の上位。全部寄せは設計ミス
  2. 手放す/残すを表にすると、社長と推進役の線が言葉になる
  3. 「やらないこと」を1枚に書く。役割を増やさず、回せる範囲に落とす

自社だと、社長が手放す範囲と残す範囲をどこで切るか。一緒に整理します。

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